裏声(ファルセット)が出ない、かすれる人のためのボイトレ

裏声(ファルセット)がかすれる人のためのボイトレ

しげ

裏声がなかなか出ないんだよね。出たとしても、かすれて聞こえるし……。歌声として使える裏声を出すには、どんな練習をすればいいんだろう?

裏声は、地声よりも高い音を歌える発声方法です。裏声を使いこなすことができれば、音域の高い曲でも難なく歌えます。

一方、肝心の裏声が使い物にならないという人も少なくないはず。以前の僕も、裏声がかすれるため、使い物になりませんでした。

ここでは、裏声が出ない、かすれる原因と解決するためのボイストレーニングを紹介します。きちんと練習すれば、誰でも裏声をキレイに出せるので、ぜひ参考にしてください。

裏声(ファルセット)のボイトレ前に知りたいこと

裏声がかすれる原因を理解しやすくするため、まずは発声の仕組みからお話しします。すでに知っている人は、スキップしてください。

声が出る仕組み

のどには声帯と呼ばれる二枚のヒダがあります。肺から運ばれた空気は、声帯に衝突。空気が声帯にぶつかることで、声の源(喉頭原音)が生まれます。

喉頭原音は、のどや顔にある音の響く空間(共鳴腔)を通ることで声をつくります。共鳴腔は、音色や音程を調整するはたらきもあります。

地声と裏声(ファルセット)を発声するときの声帯

人には、大きく分けて地声と裏声、2種類の声があります。地声と裏声は、声帯を調整することで発声されます。

Memo
説明を簡単にするため、ミドルボイスやミックスボイスなどの発声法は割愛します。
声帯の伸び声帯の開き
地声伸びていない閉じている
裏声伸びている開いている

声帯が伸びるほど高い音を、閉じるほどハッキリした音を発声できます。裏声が地声よりも細い理由は、声帯が開いているためです。

裏声(ファルセット)が出ない・かすれる原因と解決策

原因解決策
声帯が乾燥している水を飲む
息を十分に送り込めていない腹式呼吸・リップロール・タングトリル
のどが締まっているLaga-Yaga発声
声帯を引っ張れていない息もれのある裏声
声帯を開きすぎているエッジボイス

裏声がかすれる原因は、表の5つが考えられます。それぞれについて、最適な解決策を紹介しています。あなたの原因に合わせて、ぜひ試してください。

声帯が乾燥している

声を出す限り、声帯は常に高速で振動してます。湿り気のあるのどの中でも、たくさんの振動を続ければすぐに乾燥してしまうのです。

Memo
声帯が振動する様子は、手のひらをこすり合わせるとイメージしやすいです。しばらくこすってると、手のひらが乾燥してきますね。声帯でも、ほぼ同じ現象が何倍もの速さで起きてます。声帯がいかに乾燥しやすい器官であるか、容易に想像できます。

声帯を潤すには、水が一番。ジュースや乳製品などは、発声を妨げる濃い淡をつくります。お酒はドーピングのようなはたらきをしますが、声帯の乾燥を加速させます。

水分補給をするときは、水を飲みましょう。極端な温度だと声帯を傷つけるので、常温がおすすめです。

しげ

甘いジュースや炭酸を飲むと、淡が絡んじゃうよね。歌のことを考えるなら、水を飲むのが一番だよ。

息を十分に送り込めていない

声は、肺から送られる空気をエネルギー源とします。運び込まれるエネルギーが少なければ、声が出ませんよね。

エネルギーを十分に運ぶため、呼吸を見直しましょう。ここでは、3つのボイストレーニングを実践します。

腹式呼吸

  1. 手をおへその上に置く
  2. 大きく息を吸い込む
  3. 肺を空気でいっぱいにする
  4. 息を吐きだす

これらは、腹式呼吸の基本動作です。息を吸い込むときは、鼻から吸うようにしてください。

吸い込んだ息で、肺の中を空気で満たしましょう。風船をイメージすると、呼吸しやすいですよ。お腹の中にある風船を、腹式呼吸で膨らませてあげます。

風船が十分に膨らんだら、空気を吐き出します。力を抜くと同時に、空気がもれていくイメージです。体が力むと思うように呼吸できないので気をつけましょう。

Memo
はじめは、鏡の前で呼吸の動作を確認してください。呼吸をするときに肩や胸が持ち上がる場合、腹式呼吸ができていません。呼吸に合わせてお腹の大きさが変化するよう練習しましょう。

しげ

腹式呼吸は、横隔膜を使う呼吸方法だよ。息を吸うときは、鼻から吸うよう心がけてね。

リップロール

  1. 唇を湿らす
  2. 唇を前に突き出して軽く閉じる
  3. 息を吐いて唇を「ぶるぶる」と鳴らす

リップロールの前に、水を飲むなどして唇を湿らせてください。唇が乾燥しては、思うように振動しないので注意しましょう。

下唇で上唇を持ち上げるようイメージで口を閉じます。閉じる力が強すぎても弱すぎても振動しないので、力加減を調整しながら練習しましょう。

リップロールが一瞬しかできないという人は、吐く息の量が多いかもしれません。息を吐くときは、一定になるよう心がけてくださいね。

Memo
できない人は、唇の両端を指で引っ張ってください。唇が張るので、振動しやすくなります。まずは指で補助しながら、リップロールの感覚をつかみましょう。

しげ

リップロールをするときは、息だけでも声を混ぜながらでも問題ないよ。僕の体感としては、声を混ぜると負荷が大きくなる印象かな。「うー」の発音が、一番やりやすいよ。

タングトリル

  1. 舌を口の上側にくっつける
  2. 息を吐いて舌を「とぅるるる」と鳴らす
レベル時間
初級10秒
中級20秒
上級30秒

しげ

タングトリルも、リップロールと同じく呼吸を整えるボイストレーニングだよ。リップロールよりも難しい分、負荷は大きめだね。

タングトリルは、巻き舌の要領で行います。ポイントは、息を一定の量で吐き続けることです。吐く息の量が多すぎても少なすぎても、舌が鳴りません。

しげ

僕も最初はできなくて苦労したよ。でも、毎日練習したら25秒以上は安定してできるようになったかな。

のどが締まっている

声帯は、非常に柔らかい器官。裏声や高音は、声帯の柔軟性を生かして発声されます。正しい発声は、脱力・リラックスが非常に重要です。

一方、のどが力むと思うように声が出ません。力が入ると、のどが締まります。のどを締める発声(喉声)は、声帯に大きな負担をかけます。

喉声は、声がかすれるだけでなく、最悪のどを壊す危険のある発声です。ケガを未然に防ぐためにも、早急に治さなければなりません。

Laga-Yaga発声

  1. あごを下げる
  2. 手をあごに軽く当てる
  3. 音階に合わせてLaga-Lagaと発声する
  4. Yaya-Yaya, Yaga-Yaga, Tala-Talaも同じように発声する

Laga-Yaga発声は、アメリカのボイストレーニング講師Eric Arceneaux氏が勧めるボイストレーニングのひとつです。

動画のように、Laga-Lagaと発声するだけで喉声が改善されます。ポイントは、あごを動かさないこと。はじめは、あごに軽く手を当てて練習するとよいでしょう。

長年喉声だった僕も、Laga-Yaga発声のおかげで癖が治りました。のどを締めないで発声するだけで、楽に裏声を出せるようになります。

Warning
Laga-Yaga発声は、音階に合わせて練習します。始めたばかりでは音域も限られるため、高音が出ないかもしれません。苦しくなったり、のどが力んだりしたら、すぐに発声をやめましょう。

しげ

僕もLaga-Yaga発声で喉声が治ったから、おすすめのボイトレだよ。喉声を改善できたら、楽に発声できるようになるね。

声帯を引っ張れていない

のどには、声帯を引っ張る輪状甲状筋と呼ばれる筋肉があります。輪状甲状筋がはたらくことで、声帯がピンと張るのです。

しかし、日常生活の中で輪状甲状筋を使う機会は、ほとんどありません。たいていの人は、輪状甲状筋が目覚めていない状態。声帯を引っ張れないのも当然です。

まずは、輪状甲状筋を呼び起こすことから始めましょう。声帯を伸ばせるようになったら、筋トレのように鍛えていきます。

息もれのある裏声(ファルセット)

  1. 下あごを下げて、口を大きく開く
  2. 軽く息を吸い込む
  3. 息を多めにして「ほー」と裏声で発声する

口を開けるときは、下あごの骨が出っ張るくらいが丁度です。耳の前に手を当てると確認できます。もし痛みを感じるのであれば、無理しないでくださいね。

裏声は、最小限の息で発声するよう心がけます。いきなり大きな声で出そうとすると、のどや声帯を傷つけるかもしれません。

裏声は、フクロウのように「ほーほー」と発声しましょう。「ほ」は、息もれしやすい音。ほかの音よりも効率よく鍛えることができますよ。

しげ

息もれのある裏声は、輪状甲状筋を一番鍛えられるボイトレだね。裏声は、なるべく少ない息で出すと効果的だよ。

声帯が開きすぎている

声帯の開き具合によって、息から声へ変換される効率が変わります。しかし、声帯が開きっぱなしでは、息が声に変換されません。

裏声を出すときに声帯が開くとは言えども、開きすぎは声がかすれる原因になります。裏声がかすれないためには、声帯を閉じる筋肉(閉鎖筋)を鍛える必要があります。

エッジボイス

閉鎖筋を鍛えるには、エッジボイスが最適。エッジボイスとは、呪怨のように「あ゛あ゛あ゛あ゛……」と発声する方法です。

エッジボイスを出すとき、声帯を閉じる閉鎖筋がはたらきます。肺から送られる空気は、閉じた声帯を無理やり通ろうとします。

空気が通過した際、声帯がこすれ合うことで「あ゛あ゛あ゛あ゛……」という声が出るのです。

  1. 低い声を「あー」と出す
  2. 発声しながらのど仏を下げる

声を出すときは、低い、かつ出しやすい音にしてください。発声しながらのど仏を徐々に下げると、「あー」という声から「あ゛あ゛あ゛……」という声に変化したはず。

呪怨のような声が出れば、エッジボイスの完成です。声帯を閉じる感覚をつかめれば、低い音でなくともエッジボイスを発声できます。

しげ

エッジボイスは、閉鎖筋を鍛えられるボイトレだね。「あ゛あ゛あ゛」って声を出したときの感覚を忘れないように。

裏声(ファルセット)が出ない・かすれる人のためのボイトレまとめ

原因解決策
声帯が乾燥している水を飲む
息を十分に送り込めていない腹式呼吸・リップロール・タングトリル
のどが締まっているLaga-Yaga発声
声帯を引っ張れていない息もれのある裏声
声帯を開きすぎているエッジボイス

表の下3つは、当てはまる人が多いかもしれません。のどが締まっていたり、筋肉が足りなかったりすると、キレイな裏声は出ません。

僕自身、裏声をハッキリ出すために喉声の改善から入りました。時間はかかりましたが、今では歌へ応用できるほどの裏声になりました。

ボイストレーニングのコツは、あなた自身の声を知ることです。検討違いな原因を解決しても、思うように上達しません。

録音するなり、身近な人に聞くなりして、あなたの声を客観的に分析してください。

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