【初心者向けボイトレ】歌の悩みが解決する目的別トレーニング

【初心者向けボイトレ】歌の悩みが解決する目的別トレーニング

Summary
歌うときに息苦しい、のどが締まる、声量が小さいなど、歌の悩みを解決するためのボイストレーニングを目的別に紹介します。

歌うとき息苦しい、高音が出ない、のどが締まって声がガラガラになる。あなたも、このような悩みを抱えてませんか?

これらは、たくさんの人が抱える歌の悩みです。うまく声が出なければ、歌うことも次第に楽しくなくなります。

この記事を書いている僕は、ボイストレーニングを6年以上続けています。大学院時代は、発声や歌唱について研究していました。

現在は、これまでの経験を生かしながら音楽活動で生計を立てています。ありがたいことに、音楽番組の出演やイベントのゲストアーティストなども経験しました。

ここでは、僕の実体験をもとにした歌の悩みを解決するボイストレーニングを紹介します。効果を実感したメニューしかないので、ぜひ参考にしてください。

歌の悩み別ボイストレーニング

歌の悩みボイストレーニング
歌うとき息苦しさを感じる腹式呼吸
歌詞の途中で息が切れるリップロール
声量が小さい肺活量を鍛える
体が力んでしまう体幹トレーニング
のどが締まって苦しそうに歌うLaga-Yaga発声
高音が出ない息もれのある裏声を出す
声に響きがない「ねい・ねい」発声をする

ここでは、歌の主な悩みを7つ取り上げます。表は、歌の悩みとそれぞれの解決策であるボイストレーニングをまとめたものです。

歌うときに息苦しい人は腹式呼吸を身につける

しげ

歌うときは、いつも息苦しいんだよね。

息苦しさを感じる原因は、肺の空気が十分に送られてないからです。人は意識しなければ胸式呼吸をします。胸式呼吸は素早く呼吸できる反面、空気を十分に運べないという欠点があります。

腹式呼吸は、横隔膜を使う呼吸法です。胸式呼吸と比べて、十分な空気を運べる特徴があります。トレーニングすれば、歌の最中でも意識せず呼吸ができるようになります。

腹式呼吸のやり方

  1. 手をおへその上に置く
  2. 大きく息を吸い込む
  3. 肺を空気でいっぱいにする
  4. 息を吐きだす

息を吸い込むときは、鼻から吸うようにしてください。吸い込んだ息で、肺の中を空気で満たしましょう。

風船をイメージすると、呼吸しやすいですよ。お腹の中にある風船を、腹式呼吸で膨らませてあげます。

風船が十分に膨らんだら、空気を吐き出します。力を抜くと同時に、空気がもれていくイメージです。体が力むと思うように呼吸できないので気をつけましょう。

Memo
はじめは、鏡の前で呼吸の動作を確認してください。呼吸をするときに肩や胸が持ち上がる場合、腹式呼吸ができてません。呼吸に合わせてお腹の大きさが変化するよう練習しましょう。

しげ

腹式呼吸は、基本となる呼吸方法だよ。横隔膜を使うから、胸式呼吸よりもたくさん空気を運べるんだ。リラックス効果もあるから、ウォーミングアップにも使えるね。
【ボイトレ】誰でも一瞬でできる腹式呼吸の仕方と練習方法【ボイトレ】誰でも一瞬でできる腹式呼吸の仕方と練習方法

歌詞の途中で息が切れる人はリップロールをする

しげ

ひとつのフレーズを最後まで歌いきれない。

歌詞の途中で歌が途切れる原因は、息の量が一定でないからです。息の量は、多すぎても少なすぎてもダメ。ひとつのフレーズを歌いきるには、息の量を調整しなければなりません。

リップロールは、息の量を最適化するボイストレーニングです。やり方が簡単なうえ、唇や表情筋をリラックスさせる効果もあります。

リップロールのやり方

  1. 唇を湿らす
  2. 唇を前に突き出して軽く閉じる
  3. 息を吐いて唇を「ぶるぶる」と鳴らす

しげ

リップロールは、最も手軽なボイトレのひとつだね。適切な息の量が身につくだけじゃなく、声帯や表情筋をリラックスさせる効果もあるよ。

リップロールの前に、水を飲むなどして唇を湿らせてください。唇が乾燥しては、思うように振動しないので注意しましょう。

下唇で上唇を持ち上げるようイメージで口を閉じます。閉じる力が強すぎても弱すぎても振動しないので、力加減を調整しながら練習しましょう。

リップロールが一瞬しかできないという人は、吐く息の量が多いかもしれません。息を吐くときは、一定になるよう心がけてくださいね。

Memo
できない人は、唇の両端を指で引っ張ってください。唇が張るので、振動しやすくなります。まずは指で補助しながら、リップロールの感覚をつかみましょう。

しげ

リップロールをするときは、息だけでも声を混ぜながらでも問題ないよ。僕の体感としては、声を混ぜると負荷が大きくなる印象かな。「うー」の発音が、一番やりやすいよ。

声量が小さい人は肺活量を鍛える

しげ

声量が小さくて歌が聴こえない。

声量を大きくするカギは、肺活量にあります。声のエネルギー源は空気です。エネルギーが十分に運び込まなければ、大きな声を出せません。

肺活量を鍛える方法

  1. 両脚を肩幅くらいに開く
  2. 腰に両手を当てる
  3. 軽く息を吸う
  4. 「ふっ・ふっ・ふっ」と鋭く息を吐き続ける
レベル時間
初級30秒
中級60秒
上級90秒

腹式呼吸ができていれば、息を吐いた直後に空気が送り込まれてきますね。息を吐くたびに空気が運び込まれるので、いつまでも息を吐き続けることができます。

お腹が呼吸に合わせて動かない、だんだん息苦しくなってくるという人は、腹式呼吸ができていません。まずは腹式呼吸を身につけてから、トレーニングに挑戦しましょう。

しげ

これは、腹式呼吸の特性を生かしたボイトレだよ。腹式呼吸ができていれば、いつまでも息を吐き続けることができるんだ。肺活量を鍛えるには、持って来いのボイトレメニューだよ。
【ボイトレ】横隔膜を活性化させる腹式呼吸と肺活量の鍛え方【ボイトレ】横隔膜を活性化!腹式呼吸と肺活量の鍛え方

体が力む人は体幹トレーニングをする

体に余計な力が入る原因は、体がかたい、正しい姿勢で歌えてないことが考えられます。歌は、全身の筋肉運動です。スポーツと同じく、最高のパフォーマンスをするためには脱力が欠かせません。

体幹トレーニングは、姿勢を矯正させるために行います。ふだん使わないインナーマッスルを鍛えることで、正しい姿勢を身につけましょう。

体幹トレーニング鍛えられる部位効果
フロントブリッジ大腿四頭筋・大臀筋・脊柱起立筋姿勢の矯正
サイドブリッジ腹横筋・中臀筋・脊柱起立筋姿勢の矯正・下半身の強化
バックブリッジ腸腰筋・大臀筋・脊柱起立筋姿勢の矯正
Memo
体幹トレーニングでは、呼吸を意識してください。正しい呼吸は、トレーニングの効果を飛躍的に高めてくれます。ここでは、自然呼吸を心がけましょう。

しげ

体幹トレーニングでは、インナーマッスルを鍛えるよ。インナーマッスルは、ふだんの生活であまり使われないから、トレーニングの成果をすぐに実感できるはず。

フロントブリッジ

  1. うつぶせの状態から腰を落とす
  2. ひじが肩の真下になるよう立てる
  3. 腰を持ち上げて背中・腰・お尻が一直線になるよう姿勢をキープする
レベル時間
初級30秒
中級45秒
上級60秒

腰がのけぞると腰痛の原因になります。お腹に力を入れて、しっかりと体を支えてください。

サイドブリッジ

  1. 体を横向きにする
  2. ひじを地面に置く
  3. 反対側の手を腰に添える
  4. お尻が下がらないようお腹を持ち上げる
  5. 体が一直線になるよう姿勢をキープする
レベル時間
初級30秒
中級45秒
上級60秒

バックブリッジ

  1. 仰向けに寝て両ひざをたてる
  2. 脚を肩幅と同じくらい開く
  3. 手のひらを下にして両手を体の横に置く
  4. ひざ・腰・肩が一直線になるよう背中を浮かせる(ひざの曲がりは90°)
  5. 姿勢をキープする
レベル時間
初級30秒
中級45秒
上級60秒

のどが締まる人はLaga-Yaga発声をする

しげ

高音を出すと、のどが締まって苦しそうに聴こえる。

のどが締まる原因は、舌根(舌の付け根)が緊張している、のどに力が入っていることが考えられます。

のどが締まると苦しそうに聞こえるだけでなく、のどに負担がかかるため声帯を傷つける危険もあるのです。喉声は早急に治さなければなりません。

Laga-Yaga発声のやり方

  1. あごを下げる
  2. 手をあごに軽く当てる
  3. 音階に合わせてLaga-Lagaと発声する
  4. Yaya-Yaya, Yaga-Yaga, Tala-Talaも同じように発声する

舌筋を活性化させるには、Laga-Yaga発声が最適。Laga-Yaga発声は、アメリカのボイストレーニング講師Eric Arceneaux氏が勧めるボイストレーニングのひとつです。

Laga-Yaga発声のポイントは、あごを動かさないこと。鏡の前で練習すると、あごが動いていないか確認できますよ。

Warning
Laga-Yaga発声は、音階に合わせて練習します。始めたばかりでは音域も限られるため、高音が出ないかもしれません。

苦しくなったり、のどに力んだりしたら、すぐに発声をやめましょう。無理に続けると、かえって癖が強くなります。あなたに合った音域で練習してください。

しげ

Laga-Yaga発声は、喉声改善に最適なボイトレだよ。正直なところ、これだけしかやらなくても、かなりの上達が見込めるんだよね。喉声を克服すると、高い声を楽に出せるよ。

高音が出ない人は息もれのある裏声を出す

しげ

いくら頑張っても高い声が出ない。

高音を出せない原因は、筋肉が活性化されていないからです。高音を出すカギは、輪状甲状筋と呼ばれる筋肉です。

鏡で口の中を見ながら、裏声を出してください。のどの天井部分がへこみませんでしたか?

のどのへこみは、輪状甲状筋が働いた結果です。輪状甲状筋は、声帯を引っ張る筋肉。高い声は、声帯をギターの弦のようにピンと張らせることで発声されます。

声帯が引っ張られるほど、送り出される空気が高速で振動するため高音が出るというわけですね。

地声で高音を出す場合、本来であれば輪状甲状筋が働きます。しかし、輪状甲状筋が活性化されていないと、声帯を引っ張れません。

結果、大きな声で勢いよく空気を押し出したり、のどに力を入れて無理やり声帯を緊張させたりして高音をひねり出すことになります。

高音発声に欠かせない輪状甲状筋を鍛えるには、息もれのある裏声が効果的です。

息もれのある裏声の出し方

  1. 下あごを下げて、口を大きく開く
  2. 軽く息を吸い込む
  3. 息を多めにして「ほー」と裏声で発声する

口を開けるときは、下あごの骨が出っ張るくらいが丁度です。耳の前に手を当てると確認できます。もし痛みを感じるのであれば、無理しないでくださいね。

裏声は、最小限の息で発声するよう心がけます。いきなり大きな声で出そうとすると、のどや声帯を傷つけるかもしれません。

裏声は、フクロウのように「ほーほー」と発声しましょう。「ほ」は、息もれしやすい音。ほかの音よりも効率よく鍛えることができますよ。

しげ

息もれのある裏声は、輪状甲状筋をもっとも鍛えることのできる発声方法。息もれのない裏声よりも、のどに負担がかからないから、安心してボイトレできるね。

声に響きがない人は「ねい・ねい」発声をする

しげ

話声のように歌っちゃうから声が響かない。

声に響きがない原因は、音が共鳴する空間を使えてないからです。人の体には、声が響く空間があります。

響く声というのは、それらの空間に音を共鳴させることで生まれます。声を響かせる空間(共鳴腔)は、大きく分けて3つあります。

  1. 鼻腔(びくう)
  2. 口腔(こうくう)
  3. 咽頭(いんとう)

これらのうち、鼻腔は高音をキレイに響かせられる空間です。使いこなせれば、音域も自然と広がりますよ。

「ねい・ねい」発声のやり方

  • 「んにえい」と発声する
  • 単音で「ねい・ねい」と発声する
  • 音程を上下させながら「ねい・ねい」と発声する
  • 音階に合わせて「ねい・ねい」と発声する
  • 「ねい・ねい」だけで曲を歌う

まずは「んにえい」と発声することで、鼻腔に響かせる感覚をつかみます。「ん」のときに鼻にかかるように発声すると、鼻腔に響きやすいです。

声色は、千と千尋の神隠しに出てくるカエルをイメージするとよいでしょう。鼻にかかったようなダミ声になれば、鼻腔に共鳴している証拠です。

しげ

「ねい・ねい」と発声すると、声を鼻腔に響かせることができるんだ。実際に試してみると、声の響きが明らかに違うことを実感できるよ。

歌の悩み別ボイストレーニングまとめ

歌の悩みボイストレーニング
歌うとき息苦しさを感じる腹式呼吸
歌詞の途中で息が切れるリップロール
声量が小さい肺活量を鍛える
体が力んでしまう体幹トレーニング
のどが締まって苦しそうに歌うLaga-Yaga発声
高音が出ない息もれのある裏声を出す
声に響きがない「ねい・ねい」発声をする

ボイストレーニングは、単に声を出すだけではありません。声のエネルギー源となる呼吸を整えたり、発声に必要な筋肉を鍛えたりもします。あなたの悩みが何なのか分析して、効果的なボイストレーニングを実践しましょう。

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